近視や乱視など屈折異常も
治療するワンランク上の白内障手術
「屈折矯正白内障手術」とは
vol.5 知っておきたい単焦点レンズの特徴と度数の合わせ方
レンズにはどんな種類がある?
白内障手術で挿入する眼内レンズは単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズに大別され、単焦点眼内レンズはその名のとおり、焦点(ピント)が1つだけの眼内レンズです。遠くにピントが合うレンズを選べば、手元を見るには老眼鏡が必要になります。逆に、手元にピントが合うレンズを選ぶと、遠くを見るには近眼用のメガネが必要です。
単焦点眼内レンズで中間距離に合わせることもできます。この場合は、中間距離だけでなく、遠くも近くもある程度は見えて、室内でメガネはほとんどいりません。ただし、車を運転するときには遠く用のメガネが必要になり、ベッドなどの暗いところで読書をするときには老眼鏡が必要になるなど、2つのメガネを必要に応じて使い分けたり、遠近両用メガネを使ったりする必要があります。
単焦点眼内レンズには、乱視矯正用のレンズもあります。強度近視や強い遠視でないかぎり乱視用レンズがそろっています。
単焦点眼内レンズには公的医療保険が適用されます。
最近は、医療保険が使える単焦点眼内レンズのなかにも、ピントが合う距離が複数ある設計のレンズや、ピントが合う距離に一定の幅をもたせてあるものなどが登場しています。
もともと強度近視だった人は、単焦点眼内レンズを入れることによって、近視の度数をかなり弱めたり、あるいは近視でなくしたりすることができます。遠視だった人に対しては、遠視でなくすことも、さらに近視にすることも可能です。
ライフスタイルに合わせたレンズ選びが重要
単焦点眼内レンズを選択した患者さんからは、「遠くに合わせるべきか、近くに合わせるべきか」という質問をよく受けますが、それを決めるポイントになるのが、その人のライフスタイルです。
外出やスポーツを好むアクティブな人で、運転もしたいというような場合は、遠くが見えたほうが便利です。その場合は、遠距離にピントが合う単焦点眼内レンズを入れ、手元を見なければいけないときだけ老眼鏡をかけることを勧めます。
逆に、部屋で過ごすことが多く、長時間、パソコンやスマートフォンを見ている人、ゲームや読書、料理、手芸などが好きな人などは、近距離にピントが合う単焦点眼内レンズを入れて、メガネをかけずに手元が見えるようにしたほうが便利です。この場合は、軽い近視になるような度数の単焦点眼内レンズを入れます。
リフラクティブ白内障手術なら度数コントロールが可能
屈折矯正に詳しい医師が執刀するリフラクティブ白内障手術では、度数を細かくコントロールできますので、近視にするにしても、ある程度は遠くが見えるようにしながら、視力0.4~0.5程度が見える軽い近視に調整することも可能です。そうすれば、明るいところでは老眼鏡なしで新聞や携帯電話の画面を見ることもできますし、室内ではテレビくらいならメガネなしで見ることができます。
昔は本を読むという目的であれば、強い近視に合わせていましたが、最近は細かい字の本を読む人は減っていて、大部分の人は軽い近視で快適に過ごせます。強い近視にしてしまうと、遠距離の視力は0.1くらいになって読書以外では常にメガネが必要になるため、現在では本を読む人でも強い近視にする必要はないと考えられるようになっています。
メガネをかけるといっても、そのレンズは強度近視の人がそれまでかけていたような分厚いものではなく、厚さはかなり薄くなるので、その意味でも利便性が増します。
【岡本院長の著書のご紹介】
岡本茂樹院長執筆
「リフラクティブ白内障手術」が
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発行:幻冬舎
定価:1,600円+税
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明屋書店各店 ジュンク堂書店松山三越店 紀伊の国屋書店 TSUTAYAなどで
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