近視や乱視など屈折異常も
治療するワンランク上の白内障手術
屈折矯正リフラクティブ白内障手術」とは

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白内障手術で屈折異常も治療するワンランク上の手術「屈折矯正白内障手術」とは

vol.4 近視・遠視・乱視を治してライフスタイルに合う度数に

高度な屈折矯正手術を同時に行うリフラクティブ白内障手術

ライフスタイルを徹底的に考慮して眼内レンズを選定

私自身は長年、角膜の専門家として、角膜移植やレーシック手術などを多く手がけてきました。2000年に自らのクリニックを開業してからは、白内障手術はもちろんのこと、幅広い眼科疾患を治療し、レーシックやICLなど、さまざまな方法による屈折矯正も行ってきました。その立場からいっても、屈折矯正の要素を白内障手術に取り入れることで、術後の快適な「視生活」が実現できると強く感じています。
リフラクティブ白内障手術を実施する場合、患者さんのライフスタイルや習慣、職業、趣味などを考慮する必要があります。具体的には私は患者さんに、車の運転、スポーツの種類や頻度、読書習慣、新聞を購読しているか、パソコンを使用しているか、テレビの視聴時間、音楽に関する趣味などについて詳しく聞いていきます。
さらに、そうしたやりとりのなかで、「何を最も大事にしているか」「距離によっては、メガネやコンタクトレンズの使用を容認できるか」などについても、それぞれの患者さんの希望を聞きながら、どんな種類のどのような距離に合わせた眼内レンズにするかを検討していきます。

「ただ視力を出す治療」が本当に快適とは限らない?

これまで近視だったかどうか、近視であればどの程度か、メガネやコンタクトレンズをどのように使ってきたかということも重要です。同じ程度の強度近視でも、それによって眼内レンズを選ぶポイントが変わってくるからです。

例えば、同じ程度の強度近視のAさんとBさんがいたとします。

Aさんは今までずっと近視矯正のためのメガネをかけてきました。60歳になり、老眼は進んでいるものの、メガネを外せば近くは見えます。メガネをかけると遠くが見え、外せば近くが見えるという状態です。ずっとそのように生活してきたので、近くを見るときはメガネを外す習慣がついています。そのことをさほど不便とは思わず、むしろ便利だと感じています。近視のない友人が、近くを見るときにいちいち老眼鏡をかけているのを見ると、「今になってみれば近視でよかった」と思うくらいです。

Aさんのような人が、白内障手術をして単焦点眼内レンズを入れる場合、度数を高くして遠くに合わせるのではなく、手元に合わせるのが正解です。手元に合わせておいて、今までどおりに、「遠くはメガネをかければ見える」「メガネを外せば近くが見える」という状態にしておくほうが、Aさんは便利と感じてストレスなく暮らせると考えられます。

せっかく手術を受けるのだから、「視力を出そう」とAさんのような人の眼内レンズを視力1.5に合わせると、近くを見るときにいつもメガネが必要になるので、かえって不便と感じて、手術後に悩みや不満を抱くようになってしまうわけです。

 

一方、Bさんは、Aさんと同じ程度の強度近視ですが、若い時からずっとコンタクトレンズを使ってきました。60歳になった今もコンタクトレンズを使っています。老眼が進んできてコンタクトレンズをしたままで手元を見るとぼやけてしまうので、そんなときはコンタクトレンズの上から老眼鏡をかけています。

「コンタクトレンズの上からメガネ?」と思うかもしれませんが、実際にそういう人は珍しくありません。近視で老眼の人は、メガネをかけているのなら外せば近くが見えますが、コンタクトレンズを装用していると、近くを見るときは老眼鏡が必要になります。Bさんの場合は、長年、コンタクトレンズを使い慣れているので、近視のない人と同じく、「手元は老眼鏡をかけて見る」という習慣が身についています。

Bさんのような人が白内障手術を受けて、単焦点の眼内レンズを入れる場合は、遠くに合わせておくのが正解です。遠くを見るときは裸眼で、手元を見るときは今までどおり老眼鏡をかけるようにするほうが便利と感じるはずです。しかも、コンタクトレンズを装着する手間や煩わしさから解放されるので、その意味でも快適に過ごせるようになります。

術後の理想的な見え方を自身でイメージすることが大切

眼内レンズを多焦点にすれば、複数の距離にピントが合うので、遠くも近くもメガネやコンタクトレンズなしで見ることができるようになります。しかし、単焦点眼内レンズを使うときには、ここに述べたようなことを考慮することが大切です。

高い裸眼視力にとらわれず、「手術後にどんな距離がどう見えるようになるか」「どんなシーンでメガネやコンタクトレンズが必要になるか」などについて、医師によく聞き、自分でもイメージしてみることが大切です。

術後の見え方について、自分のライフスタイルに合っているか、これまでのメガネ・コンタクトレンズの使い方と大きな食い違いがないかなどを、じっくり検討してほしいと思います。

【岡本院長の著書のご紹介】

岡本茂樹院長執筆
「リフラクティブ白内障手術」が
3月25日に幻冬舎から発売されました。
発行:幻冬舎
定価:1,600円+税
市内主要書店で販売中
明屋書店各店 ジュンク堂書店松山三越店 紀伊の国屋書店 TSUTAYAなどで
お買い求めいただけます。当院受付でも販売致しております。